
長い間IT系の世界から遠ざかっていましたので、久し振りのセミナーでは丸で浦島太郎のような感覚に襲われました。聞き慣れない言葉の連発で、もはや日本語ではなく英語に近い?という感じですね。w(゜o゜)w
参加したのは日経新聞社主催の「スマートシティーシンポジウム」。無料なのですが、非常に中身は濃かったです。二日間に渡り経済関係官庁・ハウスメーカー・ITメーカーなどから、担当の幹部クラスが講師を務めました。私は「建築家」の視点で色々とイメージを膨らませながら聴講しましたが、これからの住宅のあり方が大きく変わろうとしていることに半ば驚きを感じます。
これまでスマートハウスに対する私のイメージは、単に電気・ガス水道などの計測メーターをオンラインで繋いで集中監視(使用状況の確認程度)するだけのものでしたが、実際はかなり違いました。今回最も先進的で具体的な将来イメージを提案したのはトヨタホームでしたので、それをベースに簡単にイメージをご紹介します。(一例として図を参照。)
家の中にあるあらゆる電気機器をネットワークで繋ぎ、電気・ガス・水道等のエネルギー供給を自動的に監視・制御します。一日24時間の中でエネルギー使用頻度は大きく変化し、特に夕食時から就寝時までの時間帯にピークが突出します。最も需要の高いこの時間帯では、エネルギー使用料金(単価)が最も割高となります。そのため、エネルギー使用状況の平準化(集中させない)が省エネ対策の基本となります。例えば提案のシステムでは、深夜電力や太陽光発電等による蓄電或いは創電機能を利用しながら、あらかじめ設定した省エネルギー計画を適切に実行することができます。ピーク時の消費エネルギー超過分は、あらかじめ蓄えておいた蓄電池の電源を充当することで料金の割増を抑えます。また、トヨタホームのユニークなところは、自動車メーカーという側面を活かせて電気自動車も電気機器の一つとしてネットワークに組み入れていることです。非接触型充電器の設置により、充電の手間もほとんどかかりません。電気自動車を駐車場に停めるだけで、自動的に充電が開始。常に蓄電された状態にあるので、停電時のバックアップ電源としても機能を発揮します。
ちなみに、これらの情報は家族全員がスマートフォンで確認でき、また制御することも可能です。この当事者意識こそが省エネに最も貢献する要素かも知れません。
個人情報保護の問題もあると考えられますが、これら電気機器の稼働状況はインターネットを通じて運営事業者のサーバーでも把握されていますので、在・不在状況、各機器類の使用状況、生活様式などの情報をビッグデーターとして提供されることにもなります。それにより様々な新しいサービスが提案されることにも繋がります。
今のところ関係省庁(経済産業省、総務省、国土交通省)と大手ハウスメーカーが競って推進している様相ですが、多くの中小工務店などにはまだまだ浸透するには時間がかかるようです。一番の理由は導入するメリット(費用対効果)がハッキリ見えないということです。しかし、今回のシンポジウムで受けた印象では、国(関係省庁)の本気度は高いです。また、大手ハウスメーカーも積極的に導入事例を積み上げていますので、建設業界全体への波及は時間の問題だと思います。
やはり一番の備えは、常に新しい技術・動向を貪欲に吸収すること。採用するしないは別にして・・・。
私としては、住宅それぞれの個性を損なうことなく、このような新しい技術も積極的に取り入れていく必要性があると感じています。もっとも有益な技術であればですが。